妄想書き溜め用。
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いつともなきこと。ひとびとがくらすむらがあって、
そのすぐそばのやまに、まおうがいました。
まおうは、つきがかくれて、またあらわれる、そのたびに、
むらからひとり、いけにえをえらんで、やまへつれさりました。
つれさられたいけにえは、にどとむらへはかえりません。
かわりに、ところどころをひきさかれた、そのひとのふくが、
やまのうえから、かわをながれて、むらにもどってきます。
ところがあるとき、ひとりのわかものが、これにおこりました。
「どんなりゆうがあって、むらびとたちは、
いけにえをまおうに、わたさなければいけないのだ。
このままでは、いつか、まおうにくいつくされて、
むらびとも、このむらも、なくなってしまう」
「よし、おれが、まおうをうちたおそう」
わかものは、いくさのよういをはじめました。
よろいをかさね、かたなをさげて、
わかものがそとへでると、むらびとたちがいました。
むらびとたちは、だまったまま、わかものをみつめ、
ほうきやぼうでたたき、いしやまぐそをなげつけ、
かたなやよろいをとりあげて、こえだめにつっこんでしまいました。
いさましきわかものも、これにはすっかりまいってしまって、
よろよろと、こえだめをかきわけて、かたなをほりだすと、
かなしみのあまり、むねをつらぬいて、しんでしまいました。
むらびとたちは、ようやくひとあんしん。
そこへ、くらいそらから、つきがあらわれて、
きらきらと、いけにえをてらしました。
いけにえは、ひとしきりなきさけぶと、おやとともだちにわかれをつげて、
まおうにてをひかれて、やまへとのぼっていきました。
つぎのあさ、やまから、かわをながれて、ふくがながれつきました。
むらびとたちは、ひとしきりすすりなくと、ふくをつちにうめて、
まおうにてをあわせて、しごとへとかえっていきました。
めでたし、めでたし。
そのすぐそばのやまに、まおうがいました。
まおうは、つきがかくれて、またあらわれる、そのたびに、
むらからひとり、いけにえをえらんで、やまへつれさりました。
つれさられたいけにえは、にどとむらへはかえりません。
かわりに、ところどころをひきさかれた、そのひとのふくが、
やまのうえから、かわをながれて、むらにもどってきます。
ところがあるとき、ひとりのわかものが、これにおこりました。
「どんなりゆうがあって、むらびとたちは、
いけにえをまおうに、わたさなければいけないのだ。
このままでは、いつか、まおうにくいつくされて、
むらびとも、このむらも、なくなってしまう」
「よし、おれが、まおうをうちたおそう」
わかものは、いくさのよういをはじめました。
よろいをかさね、かたなをさげて、
わかものがそとへでると、むらびとたちがいました。
むらびとたちは、だまったまま、わかものをみつめ、
ほうきやぼうでたたき、いしやまぐそをなげつけ、
かたなやよろいをとりあげて、こえだめにつっこんでしまいました。
いさましきわかものも、これにはすっかりまいってしまって、
よろよろと、こえだめをかきわけて、かたなをほりだすと、
かなしみのあまり、むねをつらぬいて、しんでしまいました。
むらびとたちは、ようやくひとあんしん。
そこへ、くらいそらから、つきがあらわれて、
きらきらと、いけにえをてらしました。
いけにえは、ひとしきりなきさけぶと、おやとともだちにわかれをつげて、
まおうにてをひかれて、やまへとのぼっていきました。
つぎのあさ、やまから、かわをながれて、ふくがながれつきました。
むらびとたちは、ひとしきりすすりなくと、ふくをつちにうめて、
まおうにてをあわせて、しごとへとかえっていきました。
めでたし、めでたし。
いつともなきこと。
さて月満ちて欠けんとす間に雨滴のひとつとも降らねば花 みな憂ひ色失せぬ。むらをさ踊り呪ひて祈る。雨ふらず。 しからば贄に兎を捧がん。つひにぞふりて花ほころぶ。
さて失せたる月の満つる間に雨滴のひとつともふらねば花みな憂ひ色失せぬ。むらをさ踊り呪ひて祈る。雨ふらず。 しからば贄に兎を捧がん。されどふらず。 善き人の子を捧がん。つひにぞふりて花ほころぶ。
さて月影ひとすじ見えぬ間に雨滴のひとつともふらねば花みな憂ひ色失せぬ。むらをさ善き人の子を捧げて祈る。雨ふらず。 しからば三の雨が子を。されどふらず。しからば六の子を。つひにぞふりて花ほころぶ。
さて満月ほそる間に雨滴のひとつともふらねば花みな憂ひ色失せぬ。むらをさ六の子を捧げて祈る。雨ふらず。しからば百の子を。されどふらず。しからば万の子を。 されどふらず。
善き雨が子の孫子らに、むらをさ曰く、 とく産み殖えよ。 雨が孫子らうち震えよくよく姫に祈りにけり。夢の世にて姫にぞ見ゆ。祈りは物にあらずして、さるものひとしう代はるゆゑなし。いで愛しき人の子や。吾が求むるは物にあらず、ただ求むるは一心の祈りを調ぶ音づれなり。
心澄ませ祈れり。つひにぞふりて花ほころぶ。
やあやあ我こそは否乃大将軍也。喰らへり人の子余多。おそらるること幾千年。我に匹する者世にあるまじ。只人の子の眼前に出でては生き餌たらしむばかり也。
嘘か誠か。
否。人の子おそろしく思ふ心あれば況や口に入るや。さりとて我は人の子に非ず。掌は八十の頭を一握りにし足は八十の里を一跳びす。我が力強大にして及ぶものぞ世にあるまじ。
嘘か誠か。
否。掌山熊に遠く及ばず足野犬に遠く及ばず。さりとて我が力強大にして力及ばぬ処こそ世にあるまじけれ。
嘘か誠か。
否。
否。
我が力及ばぬ処あらば其れは。
御前の力及ばぬは、其れは。
寛吉が衣の袖也。
…さても人の子去りぬれば何時ぞ我が命は終をえむ。我が名何処哉。何処にやあらむ大将軍哉。
…さらば名乗らむ。やあやあ我こそが否乃大将軍也。おそるるもの無き猛者なれば毎夜天から月を喰らひて明からぬ夜とす也。
嘘か誠か。
否。夜半に厠へ出るは憂し。行き合ふ婆の此世ならぬ恐ろしさよ。さりとて我が力強大にして力及ばぬ処こそ世にあるまじけれ。
嘘か誠か。
否。
否。
我が力及ばぬ処あらば其れは。
御前の力及ばぬは、其れは。
向かうの池の前の大石也。
…終にぞ捕らえり。御身否乃大将軍成り果つるぞかし。
嘘か誠か。
否。人の子おそろしく思ふ心あれば況や口に入るや。さりとて我は人の子に非ず。掌は八十の頭を一握りにし足は八十の里を一跳びす。我が力強大にして及ぶものぞ世にあるまじ。
嘘か誠か。
否。掌山熊に遠く及ばず足野犬に遠く及ばず。さりとて我が力強大にして力及ばぬ処こそ世にあるまじけれ。
嘘か誠か。
否。
否。
我が力及ばぬ処あらば其れは。
御前の力及ばぬは、其れは。
寛吉が衣の袖也。
…さても人の子去りぬれば何時ぞ我が命は終をえむ。我が名何処哉。何処にやあらむ大将軍哉。
…さらば名乗らむ。やあやあ我こそが否乃大将軍也。おそるるもの無き猛者なれば毎夜天から月を喰らひて明からぬ夜とす也。
嘘か誠か。
否。夜半に厠へ出るは憂し。行き合ふ婆の此世ならぬ恐ろしさよ。さりとて我が力強大にして力及ばぬ処こそ世にあるまじけれ。
嘘か誠か。
否。
否。
我が力及ばぬ処あらば其れは。
御前の力及ばぬは、其れは。
向かうの池の前の大石也。
…終にぞ捕らえり。御身否乃大将軍成り果つるぞかし。
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