妄想書き溜め用。
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俺は物心ついた時、両親の姿を見なくなったことに気付いた。
代わりに毎日、爺さんや婆さんが自分の食事を作ってくれていた。
爺さんは料理店を営んでいた。
あまり評判だったわけではないが、腹をすかせた兵士達の間では
安くて美味い店として人気はあったらしい。
爺さんの家では毎晩、スープが出された。
調味料の分量も、具の刻み方も不揃いなスープ。
けれど、どこか気持ちを安らげてくれる。
そんな爺さんの作るスープが、俺は大好きだった。
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「残念だが、、、ちょっと足りてないな、坊主」
夜になっても、相変わらず賑やかなレイク・セントラル。
その無駄に広い広場に並ぶ露店の一つ、セド・ベーカリーの前で
ヒィノは足りない小銭を持ったまま立ち尽くした。
「、、、最後の一個、ですよね」
「そうだな。だが、まけてくれとか言うなよ」
「、、、。」
55ウィン、55ウィン足りないのだ。
今日はいつもより多く泥棒やスリを捕まえて、金銭に余裕が出たので
久々に大好きなレーズンパンが食べれると思っていたのに。
少年は耳にかかり切らない前髪を無造作にかき上げながら溜息をついた。
仕方なくパンは諦めたが、パンの代わりに寝床くらいは良いだろう、と思いつき
了承を得ず、自己判断で店の横のスペースにしゃがみ込んでやった。
パン屋の主人、セドが訝しげにじっと見つめてくるが、無視をする。
少しくらい無茶しても、経験の足りない子供ならばと許してくれる事も多い。
それは、少年にとっての生きる知恵と言うか、悪知恵みたいなものだった。
闇から生まれし化け物は、次々に人間を喰らい葬る。
血の滴る路上。数分前の阿鼻叫喚が嘘のように静まり返る。
そこで俺は力尽き、男達の屍に倒れ込んだ。
傍にいた彼女は、立ちすくんだまま動かなかった。
ルライ・バルセード。それは俺の名前。
アトェリス・ローラ。それは彼女の名前。
とある国のとある場所、そこにいつも虚ろな目をした青年がいました。
この青年は物心ついた時から、目が見えませんでした。
青年はいつも暗闇という、彼にとっての絶望の中、考えていました。
何故、僕だけがこんな風に目が見えないのだろう、と。
何故、僕だけが暗闇に閉じ込められなければいけないのだ、と。