妄想書き溜め用。
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遠くを見覚えのある茶色が走っているのが見えた。
ジェンフの見間違いではなく、どう見てもあの茶色と白の髪はライだ。
読書が好みらしいと知ってから、もしかしてライって頭脳派?とか勝手に思っていたが、
ジェンフが想像していたよりもライの走りは早かった。
しっかしあのナマケ男が全力疾走なんて、よっぽどの事でもあったのかねィ?
持っていた紙コップをポンと投げ、足で踏みつける。
誰だって、知り合いが普段と様子が違ったら気になるもんだぜィ。
ニヤニヤと笑いながら自分もマラソンに参加しようとしたジェンフだったが、
「……うっわーぁ、どぉーりでダッシュしてるわけだ」
ライの少し後ろにいた女を見て、やめた。
目を見開き、口からは絶えず笑い声。極めつけに銀色に輝く長い髪。
「まるで鬼婆じゃねェか、アレ…」と、ジェンフは一人呟いた。
暇な人が走り回る(のを傍観する)話。
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暇です。
暇で、暇すぎます。
暇で暇で仕方ないです。
あーもう暇なんですってワタクシ。
もう腐りそうなくらい暇なんですって。
死にそうです。暇で死にそうです。本当死んじゃいそうです暇過ぎて。
暇ですねぇ暇で暇で暇暇ひまヒマヒマ…
……………………。
家族や友人が悲しむからとか
未来の幸せを手に入れられないのは勿体無いだとか
死にそうな人々の為に命を粗末にするなとか
俺は一体何の為に生きてるの
世間では死ぬことが最大の罪とされて
ひたすら生きることを強要されて
俺はずっと何かの為に生かされるの
死にたいから死ぬよ
生きたいから生きるよ
俺は俺の為に生きてるの
理由、意味
何かに殺される自分がいたとしても
何かに生かされる自分にだけはならない
靴箱に入れられた大量の紙屑。
とことん罵言の書きつくされたそれを、出帆はいつも通り回収して帰る所だった。
「あなたが北崎さんね?」
「…え」
北崎さん。
今、自分の名前を正しく呼ぶのは、担任と、あの男しかいない。
しかしその声はどちらのものでもなく、少し落ち着いた高い声だった。
横を向くと、そこには先生らしき若い女がいた。
遠くの空が綺麗。
出帆は虚ろな瞳に濁った青を映す。
しかし、次の瞬間それは背景と化し、黒い塊が迫ってくる。
「あーあ、こんなになって」
出帆の小さな躯を軽く蹴飛ばす白いシューズ。
その足は、いつも彼女の制服を泥だらけにする女子達のものでも、
ましてや生徒が着用を義務付けられている指定の靴でも無かった。
まだ生地の堅い、まっ白い部分が目立つシューズだ。
「出帆」
「………。」
ドッ
鋭い一撃が右肩に入り、出帆は苦痛に顔を歪めた。
男は静かに口端を吊り上げ、憐れむ様な、慈しむような目で出帆を見下ろした。
細いようでしっかりしている男の影が、うずくまる出帆と太陽とを遮る。
「そろそろ音をあげる頃かな?出帆」
「……せ…んせ」
出帆はなんとか四肢を折り曲げ、立ち上がろうとする。
それをまた、男は空きカンを扱うかのように蹴り転がした。
コンクリートがひんやりと、崩れ落ちた出帆の体を迎え入れた。