妄想書き溜め用。
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遠くを見覚えのある茶色が走っているのが見えた。
ジェンフの見間違いではなく、どう見てもあの茶色と白の髪はライだ。
読書が好みらしいと知ってから、もしかしてライって頭脳派?とか勝手に思っていたが、
ジェンフが想像していたよりもライの走りは早かった。
しっかしあのナマケ男が全力疾走なんて、よっぽどの事でもあったのかねィ?
持っていた紙コップをポンと投げ、足で踏みつける。
誰だって、知り合いが普段と様子が違ったら気になるもんだぜィ。
ニヤニヤと笑いながら自分もマラソンに参加しようとしたジェンフだったが、
「……うっわーぁ、どぉーりでダッシュしてるわけだ」
ライの少し後ろにいた女を見て、やめた。
目を見開き、口からは絶えず笑い声。極めつけに銀色に輝く長い髪。
「まるで鬼婆じゃねェか、アレ…」と、ジェンフは一人呟いた。
暇な人が走り回る(のを傍観する)話。
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暇です。
暇で、暇すぎます。
暇で暇で仕方ないです。
あーもう暇なんですってワタクシ。
もう腐りそうなくらい暇なんですって。
死にそうです。暇で死にそうです。本当死んじゃいそうです暇過ぎて。
暇ですねぇ暇で暇で暇暇ひまヒマヒマ…
……………………。
彼は、人間なんて嫌いだという顔で、彼女を見上げた。
無理矢理檻の中に閉じ込めて、餌付けして、それに飽きたら殺して処分する。
彼にとって、保健所とはそういうものにしか思えなかったのだろう。
日々与えられる餌は食べても、人間には決して屈さない。
その決心は、大嫌いな牢屋を出た後も、ずっと続いていた。
今の俺は犬じゃなくて、お前と同じ人間の形をしていて、
どこかも分からない場所にいて、よく分からない奴らと暮らしている。
訳の分からない夢でも見てるのか、何でこんな事になってるのか
自分でも理解できない事ばかりだが、
ただ一つ言えるのは、俺はそれなりに元気にやってるんだと思う。
お前がいつも俺の傍でギャーギャー騒いでたのは覚えてるし、
お前に顔の回りをこねくり回されたのもよく覚えてる。
ずっと言えなかったが、ああやって俺の顔で遊ぶのはやめろ。
不快だったんだぞ、あれは。あんまり抵抗しなかったが。
あとあの餌。もっとマシなやつは無かったのか?味がおかしかった。
リードだってそうだ。何であんなピンクの花柄なんて選んだんだ。
俺がどんだけ恥ずかしかったか、わかってんのか。この野郎。
それから
「………こんなもん書いても、今更か」
適当に投げ捨てた紙の塊が、弧を描いて、てんてんと小さく跳ねて落ちる。
どうせ大した内容など書けるわけがない。伝える相手なんていないのだから。
「ああ、忘れてた」
床に落とした紙屑をもう一度広げ、手紙に戻し
まだ上手く持てない鉛筆を握りしめ、殴り書きで付け足す。
最高の締めの言葉を思いついた。
ライは数秒で書き終えた文字を見て、これでよし、と満足そうに口角を上げた。
それから、お前なんか大っ嫌いだ。
I detest liar.
最後に彼がついたのは
もう届かない彼女への、心からの嘘でした。
とても愉快です。
自らの手で暗黒を広げていく快感。
次はこれ。こいつの次は隣のこれ。
どれもこれも、悲鳴すら上げられずに
呆気なく呑まれ、染まっていく。
全ては永遠の闇に身を沈める運命なんです。
それでも抵抗するのなら猶予をあげます。
ひへへへ…さあ、もがけ!そして絶望なさい!!